複数条件のCOUNTIF/SUMIFを正しく使う方法

① はじめに

Excelでデータの集計や条件を満たすデータの件数や合計を求めるとき、COUNTIFやSUMIF関数がよく使われます。しかし、複数条件を扱うときに、意図した結果が得られず混乱することが多いようです。「COUNTIFで2つ以上の条件を設定したいのにエラーが出る」「SUMIF関数が複数条件で正しく動作しない」「IF関数と組み合わせたけれど、期待通りの集計にならない」といった悩みを持つ方が少なくありません。複数条件の集計では、COUNTIFSやSUMIFS関数の正しい使い方を理解し、エラーを防ぐことが重要です。本記事では、複数条件のCOUNTIF/SUMIFで発生するミスとその解決策を解説します。


② 複数条件のCOUNTIF/SUMIFのミス

1. 複数条件を扱うための関数:COUNTIFSとSUMIFS

COUNTIFやSUMIF関数は、1つの条件で件数や合計を求めるときに使います。たとえば、「売上額が1000以上のデータを数える」といったケースに便利です。しかし、複数条件を設定したい場合は、COUNTIFSやSUMIFSを使う必要があります。

COUNTIFS関数の構文

excelコードをコピーする=COUNTIFS(範囲1, 条件1, [範囲2, 条件2], ...)
  • 範囲1:条件を適用する最初の範囲
  • 条件1:範囲1に適用する条件
  • 範囲2, 条件2:追加の条件(必要な場合)

SUMIFS関数の構文

excelコードをコピーする=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], ...)
  • 合計範囲:合計を求める対象のセル範囲
  • 条件範囲:条件を適用する範囲
  • 条件:各条件に一致するデータを集計

2. COUNTIF/SUMIFのよくある複数条件のミスと解決法

ミス 1:COUNTIFとSUMIFで複数条件を設定しようとして失敗する

問題
COUNTIFやSUMIFは1つの条件しか指定できません。そのため、AND条件やOR条件を複数指定しようとすると、誤った結果が返されます。

対応策

  • COUNTIFSSUMIFSを使いましょう。これらの関数は複数条件を扱うことができます。

:売上額が1000以上で、かつ地域が「東京」のデータを数える。

excelコードをコピーする=COUNTIFS(B2:B10, ">=1000", C2:C10, "東京")

ミス 2:AND条件とOR条件の混同

問題
COUNTIFSやSUMIFSは、全ての条件を満たすデータのみを集計します(AND条件)。しかし、OR条件(いずれかの条件を満たす場合)で集計したい場合、この関数だけではうまくいきません。

対応策

  • OR条件を使いたい場合、複数のCOUNTIFS/SUMIFSの結果を足し合わせる方法があります。

:地域が「東京」または「大阪」のデータを数える。

excelコードをコピーする=COUNTIFS(C2:C10, "東京") + COUNTIFS(C2:C10, "大阪")

ミス 3:SUMIFSで合計範囲と条件範囲の不一致

問題
SUMIFS関数で、合計範囲と条件範囲のサイズが一致していないと、エラーが出ます。

対応策

  • SUMIFSでは、合計範囲と条件範囲の行数・列数を同じにする必要があります。

:売上が1000以上の地域別の合計を求める。

excelコードをコピーする=SUMIFS(B2:B10, C2:C10, "東京", B2:B10, ">=1000")

ミス 4:数式内の条件の指定ミス

問題
条件を指定する際、文字列や数値の扱いを間違えることで、正しい結果が得られません。

対応策

  • 条件が文字列の場合、ダブルクォート(")で囲みます。
  • 数値条件では、演算子を文字列として扱う必要があります。

:売上額が500以上のデータを数える。

excelコードをコピーする=COUNTIFS(B2:B10, ">=500")

ミス 5:空白セルや部分一致の処理ミス

問題
COUNTIFSやSUMIFSでは、空白セルや部分一致を正しく処理しないと、思い通りの結果にならないことがあります。

対応策

  • 空白セルを条件にする場合は、次のように指定します。excelコードをコピーする=COUNTIFS(A2:A10, "")
  • 部分一致を使いたい場合、*(アスタリスク)をワイルドカードとして使用します。excelコードをコピーする=COUNTIFS(A2:A10, "*東京*")

④ まとめ

COUNTIFSやSUMIFS関数は、Excelでの複数条件による集計に非常に便利なツールです。しかし、COUNTIFやSUMIFと混同して使おうとすると、期待した結果が得られないことがあります。本記事で紹介したように、AND条件OR条件の使い分け、合計範囲と条件範囲の一致などのポイントを押さえることで、エラーを防ぎ、正確な集計を行うことができます。

複数条件を活用することで、売上や在庫の管理、財務データの分析など、Excelを使った業務がより効率的になります。今回の内容を参考に、COUNTIFSやSUMIFSを正しく使いこなし、データの分析力を向上させましょう。

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